山谷の豆知識③…すたれた隠語たち
どの業界でも他では使われない隠語はあるのであろうが、山谷地区などの寄せ場(日雇い労働者市場)の労働者たちによって使われてきた隠語も数多くある。
青カン、デヅラ、ケタオチ、アブレ、ドヤ、アンコ…。
そんな隠語の中でも、最近ほとんど使われなくなったものがある。
「ハコガケ」と「コヤガケ」である。
ハコガケは「箱がけ」、コヤガケは「小屋がけ」と書くのであろう。
ハコガケは今で言うところの「ダンボールハウス」、そして、コヤガケは今で言うところの「ブルーテント」のことである。
『言葉は文化』なんて言われることもありますが、こういった隠語を耳にしなくなってきたことも、寄せ場・山谷の終えんを意味しているのであろう。
ちなみに、
「青カン」は、青空簡易宿泊の略で野宿のこと。
「デヅラ」は、日当のこと。
「ケタオチ」は、程度が低い、ひどく悪いといった意味。
「アブレ」は、仕事がないこと。
「ドヤ」は、簡易(素泊)旅館のことで、ヤドを逆に読んだ言葉。ヤドとも言えないという意味らしい。
「アンコ」は、日雇労働者のこと。語源は、海底にいるアンコウのように…という自虐的な意味とも言われている。
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